公正取引委員会の報道発表資料「電子商店街等の消費者向けeコマースにおける取引実態に関する調査報告書」(PDF)より。
- 電子商店街における取引は運営事業者のうち上位3社に集中
- 上位3社の中には出店事業者との取引において優位に立つ場合がある事業者がある。
概要
取引規模(=電子商店街内で流通する商品等の総額)から見ると,楽天,ヤフー,DeNAの3社が上位の運営事業者であり(以下「上位3社」という。),上位3社だけで電子商店街全体の市場規模の9割超を占める。
上位3社と出店事業者の事業規模には格差があり,また,上位3社に取引が 集中している状況にあるところ,出店事業者は一般的に電子商店街における 取引への依存度が高く,取引先である運営事業者を変更することが困難な場合があり,上位3社の中には,出店事業者に対する取引上の立場において優位に立つ場合がある事業者がある。
具体的には以下のような点が独占禁止法上問題となりうると指摘されている。
退店後のダイレクトメール送付等の営業活動の制限は運営事業者による拘束条件付取引となりうる。
手数料率の一方的変更は優越的地位の濫用等につながるおそれがある。
過大なポイント原資の賦課は優越的地位の濫用等につながるおそれがある。
運営事業者によるカード決済代行業務の利用義務付けは優越的地位の濫用等につながるおそれがある。
定価販売の遵守や値引販売の禁止は再販売価格の拘束となりうる。
仕入先事業者によるネット販売の禁止や高い仕入値の設定は拘束条件付取引や差別対価となりうる。