2009/05/01

「フェーズ」?

豚インフルエンザの警戒水準が「フェーズ4」から「フェーズ5」へ引き上げられたそうだ。「フェーズ5」とは世界的大流行(パンデミック)の一歩手前を意味するという。ところでこの「フェーズ」という言葉が翻訳されずにカタカナにするだけでそのまま使われているのは一体なぜか。

私は以前システム開発の仕事をしていたので「フェーズ」という言葉に違和感を感じることはない。「フェーズ5」の「フェーズ」もシステム開発でいう「フェーズ」とほぼ同じ意味で用いられているようで、意味はわかる。辞書で「phase」を引くと天文や化学・物理の分野でも使われる用語のようだ。しかし日本語の「フェーズ」は一般的に使われる言葉ではない。私もシステム開発の現場以外で「フェーズ」という言葉を口にしたり耳にしたりした記憶はない。

どうしても日本語にできないのならともかく、「段階」や「局面」という日本語で言い表せるのだから、「フェーズ」という馴染みのないカタカナをあえて使うのが理解できない。仮に「phase」という単語をうまく言い表せる日本語が見当らなかったとしても、そこをなんとかわかりやすい言葉で伝えるのがマスコミの仕事ではないだろうか。